ホーム > あの有名人の健康法 > 俳優・演出家 石橋蓮司さん
元気読本をご自宅にお届けします
元気読本を一緒に作りませんか?編集・デザイナー募集
病院関係者の方はこちら。患者様サービスのご案内

健康コラム
石橋蓮司さん

俳優・演出家
石橋蓮司 さん

Renji Ishibashi
俳優、演出家。1941年8月9日生まれ。東京都品川区出身。1965年、劇団青俳の養成所に入所。1968年、演出家蜷川幸雄、劇作家清水邦夫らによる劇団現代人劇場に旗揚げより参加する。1976年には緑魔子らと劇団第七病棟を結成。舞台以外にもテレビや映画など多方面に活躍。極道から特撮ものの悪役まで幅広い役柄を演じる。最近では『今度は愛妻家』や『アウトレイジ』などに出演。

公開中の映画『大鹿村騒動記』は娯楽の原点にたちかえった〝大人の喜劇”。どこか懐かしく、素直に笑って楽しめる作品です。作品中には豪華な俳優・女優が多数出演。その中で名脇役としてずっしりとした存在感を醸し出す石橋蓮司さんに今回 インタビューをさせて頂きました。

『大鹿村騒動記』の脚本をはじめて読んだ時、いかがでしたか?

なかなか面白そうだなと思いました。長野県大鹿村では300年以上、村歌舞伎が受け継がれているという のは、前々から知っていたんです。でも、そこを舞台にした作品に自分が実際に参加するというのは、とても興味深かったですね。

演じられた役について教えてください。

今回の映画は、実際の村でも起こるような問題が題材。あくまでもフィクションですが、現実の大鹿村でも同じようなことは起こっていますね。実モデルという方はいないのですが、似たような方はいらっしゃるので村の方が見れば僕がやった役はどなただか分かってしまうかもしれませんね。そういったこともあるので、 その方が見ても「俺こんな奴じゃない」ってならないように気をつけて演じました。僕が演じた重田権三はリニア建設(※1)に賛成なのですが、良い悪いではなくて一生懸命村のことを考えた上でやっていること。悪い人間ではなくリアルにそういう立場の人がいるということを観ている方に伝えたいですね。

今回、原田芳雄さんが演じられた主人公は18年前に親友とかけ落ちした妻がふらりと帰ってくる設定ですが、石橋さんがもしそういう状況でしたらどうしますか?

善さん(※2)のような受け入れ方はしないとは思いますね。でも、一緒に時間を共有してくれる人が僕みたいな年になると段々といなくなってくるんです。だからそういう人が1人でも帰ってきてくれることは嬉しいかな。受け入れ方は違うけど、受け入れていくんじゃないのかなと思いますね。

映画には石橋さんと同世代の俳優さん達がご出演なさっていますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

和気あいあいとして楽しかったですね。もともとこの映画の企画にはみなが乗り気だったので、とても結束していた現場だった。大鹿村でロケをしたんだけど、陸の孤島みたく撮影中はずっと村に押し込められていて。ロケは普通入れ替わり立ち替わりなんだけど、今回はほぼみんな2週間ずっといたんだ。普通の撮影だと、共演していても「出てたんだ」って撮影後に分かったりすることもあるけど。一緒にいたからみんなが何をやっていたかもちゃんと分かったしね。楽しい合宿生活だったよ。

〝大人の喜劇”にふさわしい映画ですが、出演者の皆さんもとても楽しそうに演じていらっしゃいますね。

そうですね。今回はお仕事をやったという感じじゃないんです。みんなが1つの作品をちゃんと作ったという感じですね。 大鹿村という300年以上もめんめんと歌舞伎を続けてきた村人の温かさに触れていると、僕達はただ仕事で来て、やって帰るというわけにはいかなかった。短い期間ですが一生懸命演じさせてもらおうとする僕達の気概に対して、村の方は受けいれてくれたし、親切に支えてくれました。

映画の一番の見どころは?

役者が劇中で歌舞伎を演じているところ。村の人達は演技に関して素人だけど、大鹿村歌舞伎に関してはプロ中のプロ。僕ら役者は演技に関してはプロだけど、この歌舞伎については素人だからワンカットずつ色々と指導してもらいました。一生懸命演じているので、是非観て下さい。

たくさんの映画やドラマに出演なさっていますが、パワフルにお仕事ができるヒケツは何ですか?

人間に対する好奇心かな。「こういう役をやってください」というのがきた時、どういう風に演じるのがその役にとっていいかなって考えますね。例えば犯罪者の役がきても、なぜ彼は犯罪者になってしまったのかという風に。そこに至るまでの心はやってあげないと、と思います。そのため、仕事がないときは出歩きますね。色々なジャンルの書物を読んだり、映画を観たり、行きつけのお店でお酒を浴びたり(笑)。お酒に関しては、お医者さんとお酒に対して上手い付き合いをしていくのがいいと思いますよ。

最後に何かメッセージを頂ければと思います。

僕がね、小さかった頃はちょうど終戦直後でね。真っ黒焦げの東京で育ったんだけど、僕達のお父さん、お母さん、お兄さんたちが再生して、そして今日の日本まで成長させてきた。今度(の震災からの復興)も長い時間がかかるかもしれないけど、是非立ち直ってほしい。そして映画とか演劇とか今はまだ必要では ないかもしれないけど、後々復興していく過程で辛いときや悲しいときに、映画を観て欲しいです。僕も戦後そうだったように、迷っている時に映画によって勇気づけられたんだ。そんな勇気を与えられるような映画を提供できれば嬉しいですね。
※1 大鹿村は東京から大阪を結ぶリニア新幹線の南アルプスルートで(Cルート)縦断予定の場所
※2 原田芳雄さんが演じられた主人公の役名が風祭善

『大鹿村騒動記』
全国公開中


出演:原田芳雄 大楠道代 岸部一徳 佐藤浩市
   松たか子 瑛太 石橋蓮司 三國連太郎 
   ほか
監督:阪本順治
配給:東映
長野県大鹿村に伝わる村歌舞伎と、そこに関わる人々の悲喜こもごもを描いた作品。
©2011「大鹿村騒動記」製作委員会